Ubunji Kidokoro

Ubunji Kidokoro 城所 右文次

1910 - 1945   Japan
1936年に東京高等工芸学校木材工芸科を卒業し、三越家具設計部に入社。当時、日本ではヨーロッパのモダニズム建築や家具が紹介され、近代的な生活様式に対応する新たなデザインが模索されていました。城所はこうした時代の中で、日本の伝統素材を用いた家具の開発に取り組みます。

その活動に大きな影響を与えたのが、フィンランドの巨匠 Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)による木製カンチレバーチェアでした。後脚を持たず、フレームの弾性によって身体を支える構造に着目した城所は、東京高等工芸学校の教官であった鈴木太郎の技術的な協力を得ながら、竹を用いた家具の研究を進めました。

代表的なプロダクト バンブーチェア(1937年)は、アアルトの Armchair Model 31(1931年)を参考に、西日本産の孟宗竹を用いてカンチレバー構造を実現したデザイン。竹材を乾燥・油抜きした後、加工・積層することで、竹特有の弾力性を生かした曲線的なフレームを形成。素材の強度や接合方法について実験を重ね、量産を視野に入れて設計され、その製造は竹興社が担いました。三越の室内装飾展で紹介され、1938年には工藝ニュースでも取り上げられています。

この竹製椅子は、1940年に来日したフランスの建築家・デザイナー Charlotte Perriand(シャルロット・ペリアン)の家具研究にも影響を与えました。ペリアンは日本で目にした竹製カンチレバーチェアの構造を再検討し、竹の弾力性をより積極的に生かした椅子を考案。1941年の展覧会「選擇・傳統・創造」で発表しました。

1945年に亡くなり、その活動期間は短いものでしたが、城所が手がけた竹製椅子は現在、香港のM+やオーストラリアのビクトリア国立美術館(NGV)などに収蔵されています。西洋のモダニズムを日本の素材と技術によって再構築したそのデザインは、戦前日本のモダンデザインを代表する重要な存在として評価されています。

EXHIBITION

GALLERY STOOP × SIDE GALLERY at KYOTO

11.2 mon. - 12.20 sun. 2026Former Kita Residence