Martin Visser

Martin Visser マルティン・フィッサー

1922 - 2009   Netherlands
20世紀後半のオランダを代表する家具デザイナーであり、現代美術のコレクターとしても知られる Martin Visser(マルティン・フィッサー)。

1922年、オランダのパーペンドレヒトに生まれ、建築を学んだ後、オランダの公共事業・水管理総局で建築製図士として働きます。その傍ら、友人のために家具をデザインし、地元の職人によって製作された家具をアムステルダムの百貨店 De Bijenkorf(デ・バイエンコルフ)が買い上げたことをきっかけに、1947年から同店のバイヤー兼家具部門責任者を務めました。

1940年代前半には、画家 Otto van Rees(オットー・ファン・リース)を訪ねた際に Gerrit Thomas Rietveld(ヘリット・トーマス・リートフェルト)と出会います。その後も友人として親交を深め、家具や建築を通して長く交流。1955年にはリートフェルトに自身の住宅「Huis Visser」の設計を依頼しました。

1954年から1974年までは Spectrum(スペクトラム)社のチーフデザイナーを務め、素材を必要以上に装飾せず、構造と機能を明快に表した家具を数多く発表。細身のスチールフレームによる BR 02 ソファベッドや SE 06 チェアは、その思想を象徴する代表作として知られています。 さらに1970年の日本万国博覧会では、オランダ館のための家具シリーズを手掛け、Osaka や Kyoto など、日本にちなんだ名称を持つ家具をデザインしました。

一方で、生涯にわたり現代美術の収集にも力を注ぎ、Sol LeWitt(ソル・ルウィット)や Bruce Nauman(ブルース・ナウマン)をはじめとする、同時代のアーティストの作品を数多く収集しました。その旧コレクションは400点を超え、その多くがクレラー・ミュラー美術館へと受け継がれています。家具と美術の境界を越えて同時代の表現を見続けたフィッサーは、戦後オランダのデザイン文化を語る上で欠かすことのできない存在です。