GALLERY STOOP × SIDE GALLERY at KYOTO
Date 11.2 mon. - 12.20 sun. 2026
Place Former Kita Residence
Open 10:00 - 17:00
Japanese Design Meets Spanish Design
GALLERY STOOP(東京) と SIDE GALLERY(バルセロナ) は、期間限定で京都に新たな拠点をひらきます。
両ギャラリーにとって新たな章の始まりであり、日本の文化およびデザイン史と交差する出逢いの場となる試みです。2026年11月2日(月)に幕を開けた本プロジェクトの舞台は、1928年に建築家・藤井厚二の手によって誕生した住宅建築の金字塔「旧喜多邸」。建築、デザイン、工芸、そして物質文化への共通の探求を結集し、京都の歴史的名建築のなかでそれらを静かに紐解きます。

会場となる旧喜多邸は、本プロジェクトの思想そのものを象徴する存在です。1928年に竣工したこの邸宅は、日本の伝統的な空間概念と深く響き合いながら、近代における新たな住まいのあり方を模索した、日本住宅建築の変容期を形づくる重要な作品です。藤井厚二は、プロポーション、素材、光、そして室内と庭園との繋がりが密接に溶け合う建築を追求しました。邸内を特徴づける親密な空間の連なりと、周囲の景観に応答する繊細な佇まい。竣工からおよそ一世紀を経た現在も、異なる時代におけるモダニズムやコンテンポラリーデザインを見つめ直すための、類稀なフレームワークであり続けています。
オープニング展覧会では、この空間的文脈を起点として、第二次世界大戦後の数十年——特に1960年代から70年代における日本とスペインのデザインを対置させます。両国は異なる状況下にありながらも、ともに劇的な復興と文化的変容のさなかにありました。原爆投下と終戦、その後の占領期からの再建を進める日本。そして内戦の傷痕を抱え、フランコ独裁政権下で政治的・文化的制約に直面していたスペイン。双方において、近代建築やデザインの発展は、単なる機能の追求にとどまらず、新たな時代における文化的アイデンティティの探求という切実なプロセスと結びついていました。

ここでの比較は、単なる造形上の類似性を追うものではなく、モダニティ(近代性)が立ち現れた「条件」そのものへの視線です。日本のデザイナーたちが根深い建築・工芸の伝統と国際文化との間で模索を重ねていた一方、スペインのデザイナーたちは、厳格な政治的・産業的制約のなかで現代的なデザイン言語の構築を試みていました。スペインの建築家やデザイナーたちにとって、国際的なモダニズムと対話し新たな家具を生み出すことは、文化的開放に向けたひとつの静かな意志表示でもあったのです。本展では、前川國男、城所右文次、剣持勇、坂倉準三らの作品と、ミゲル・ミラ(Miguel Milá)、ジョルディ・ヴィラノヴァ(Jordi Vilanova)、ジョルディ・カサブランカス(Jordi Casablancas)、グレゴリオ・ビセンテ・コルテス(Gregorio Vicente Cortes)らの思想を同じ空間に交差させ、ふたつの並行する歴史を編み直します。

さらに展覧会では、京都で初めてこの文脈のもとに集められるジョージ・ナカシマ(George Nakashima)の作品群によって、対話をより多層的なものへと深めていきます。ナカシマは、モダニティと伝統、建築と自然、そして産業文化と手仕事の関係という、本展の核心となる問いを一身に体現する存在です。日系アメリカ人としてアメリカに生まれた彼は、単一の国家的なデザイン史には収まらない独特の言語を紡ぎ出しました。彼の家具は、アメリカン・モダニズムの系譜に属しながらも、日本の素材文化や木工技術への深い洞察を内包しています。
旧喜多邸という空間において、ナカシマの作品は新たな次元を獲得します。住宅が宿す日本的な佇まい、庭園との関係性、そしてプロポーションや素材への眼差しは、家具と自然との結びつきをより直接的に体感させます。同時に、ナカシマが背負うアメリカの文脈は展示に国際的な拡がりをもたらし、日本の工芸思想や素材観がいかに国境を越え、西洋の戦後モダンデザインの発展へと浸透していったかを提示します。彼の存在は、日本とスペインの架け橋であり、歴史的デザインと現代の表現をつなぐ静かな触媒として機能します。

庭園エリアでは、展覧会の締めくくりとして、SANAA(サナア)による家具作品と、陶芸家・上田勇児による濃密なテクスチャーを纏ったモニュメンタルな陶作品を配置します。ここでは、室内における親密なスケールから、景観や自然へと意識の拡がりがシフトします。SANAAの作品がもつ軽やかさと空間的な精度が、上田の陶が放つ強固な物質的実在感と対話を生み、建築、家具、彫刻、そして庭園が溶け合う場を立ち上げます。作品は孤立した対象としてではなく、変わりゆく庭のありようと直接的に響き合いながら体感されます。
本展の幕開けは、京都の庭園や取り巻く山々が深紅、黄土、深緑へと色彩を深める紅葉の季節と重なります。刻々と移ろいゆく庭園の表情は展覧会に不可欠な要素となり、作品の体験に「時間の経過」と「季節の変容」をもたらします。旧喜多邸は単なる展示会場にとどまらず、異なる歴史、素材、そしてデザインの形態が交差する、静かな思考の場となるでしょう。
GALLERY STOOP(東京)
東京に拠点を置く GALLERY STOOP は、地理や時代の枠組みを越えた独自の視点によって、家具、オブジェ、アートの新たな関係性を提案しています。1930年代から80年代のヴィンテージ家具を中心に、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカのデザインと現代の表現を交差させてきました。確立された価値基準や階層にとらわれず、既存のデザイン史の周縁に伏流してきた真の価値を掘り起こすことを思想の核としています。
この「再発見」への眼差しは、リサーチ、展覧会制作、インテリアディレクション、そしてコンテンポラリー作家や日本の伝統工芸との協働へと拡張され、歴史的家具、現代美術、工芸、そしてそれらが存在する空間の間をしなやかに行き来しています。
SIDE GALLERY(バルセロナ)
バルセロナを拠点とする SIDE GALLERY は、20世紀の歴史的デザインおよび限定エディションのコンテンポラリー作品を専門とし、デザイン、建築、そして文化史の相互関係に焦点を当てています。この10年間、国際的なデザイン史において十分に取り上げられてこなかった地域や文脈に光を当て、従来の装飾美術のナラティヴを拡張するプログラムを展開してきました。
ブラジル、メキシコ、ベネズエラなどのデザイン史をはじめ、日本やアジアの建築家・デザイナーの実践を探求。研究、歴史的ドキュメンテーション、そして遺族やアーカイブとの直接的な関係に基づき、作品をその本来あるべき建築的・文化的文脈の中で提示することを目指しています。
Koji Fujii(藤井厚二) 1888-1938
1913年、東京帝国大学工学科建築学科を卒業。当時設計技術の近代化を急いでいた竹中工務店に設計を担当する最初の帝大卒社員として入社し、「大阪朝日新聞社社屋」や「大阪朝日新聞社 社主 村山龍平邸・和館」などを担当。新聞社側の顧問を務めていた関西建築界の雄・武田五一と出会い、1920(大正8)年、武田が創設した京都帝国大学工学部建築学科に講師として招かれる。 日本の伝統的な住まいで経験的に行われてきた気候風土に合わせる建築方法を科学的な目で捉えなおし、自ら理論化した環境工学の知見を設計に注入。京都・大山崎町の約1万2千坪の地に居住・実証・改善を加えながら自邸を実験的に次々と建てていった。「真に日本の気候・風土にあった日本人の身体に適した住宅」を生涯追い求めた藤井が、その完成形とした第5回住宅「聴竹居」は現在も大山崎町に現存し、2013年には天皇皇后両陛下(現上皇上皇后両陛下)が行幸啓されたことでも知られています。
GALLERY STOOP × SIDE GALLERY at KYOTO
Opening Exhibition “Japanese Design Meets Spanish Design”
会期:2026年 11月2日(月)〜 12月20日(日)
一部 11月2日(月)〜 11月10日(火):完全招待制
二部 11月16日(月)〜 12月20日(日):完全アポイントメント制(不定休)
» GALLERY STOOP × SIDE GALLERY KYOTO アポイントメントはこちら
会 場:旧喜多邸(京都府京都市左京区)
営業時間:10:00 – 17:00
定休日 :不定休
主 催:GALLERY STOOP、SIDE GALLERY
※会期中展示内容は予告なく変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
GALLERY STOOP × SIDE GALLERY at KYOTO
Opening Exhibition "Japanese Design Meets Spanish Design"会期:2026年 11月2日(月)〜 12月20日(日)
一部 11月2日(月)〜 11月10日(火):完全招待制
二部 11月16日(月)〜 12月20日(日):完全アポイントメント制(不定休)
» GALLERY STOOP × SIDE GALLERY KYOTO アポイントメントはこちら
会 場:旧喜多邸(京都府京都市左京区)
営業時間:10:00 - 17:00
定休日 :不定休
主 催:GALLERY STOOP、SIDE GALLERY
























