MAKINO URUSHI DESIGN MAKINO URUSHI DESIGN

CONTEMPORARY “URUSHI”

MAKINO URUSHI DESIGN

DATE : 11.3 fri. - 11.26 sun.

OPEN : Tsu. Wed. Fri. Sat. Sun. & Holiday

OPEN HOUR : 12:00 - 19:00

CONTACT : 03 4285 4128

CONTEMPORARY “URUSHI” 展

古来、約9000年の昔から私たち日本人が生活の中に取り入れてきた「漆」

幾度も行う下地づくりのための「研ぎ」、幾層も重ねられた「塗り」。シンプルで奥深い2つの技法を段階に合わせて調整し、繰り返すことで生まれる独特の艶。耐久性と機能性。古くは縄文時代から、私たち日本人の生活に、長く、深く寄り添ってきました。

しかし今、古来から全国各地で培われ受け継がれてきた多様な技術は、少しずつその継ぎ手を失い、消失の危機に瀕しています。それは、時代の移り変わりに伴う技術的発展、生活様式の変化などにより、漆という存在との接点が圧倒的に失われたことに起因しています。自然由来の塗料としての実用性や装飾性など、漆の魅力は今こそ見直されるべきではないかーー。私たちはインテリアという領域で、その価値に今一度スポットを当て、次世代に受け継ぐ一助となりたいと考えます。

11月3日より stoop では、100年以上にわたって京都に拠点を置き、金閣寺の修繕をはじめ仏壇・仏具・神社仏閣などへの仕上げで培った技術力と、多様な表現技法を持つ漆の塗り師集団「牧野漆工芸」と共同で、「漆」を現代のインテリアへ落とし込んだプロダクト開発を行い、その発表の場として展覧会を開催します。

 

※ 漆の塗膜を作って割り、再度貼り合わせるという工程を経て製作された変わり塗り E-16 Urushi Art Panel F20号

伝統的な漆技法をベースに、長年にわたる実験と試行錯誤の末に生み出した「変わり塗り」と呼ばれる多様なテクスチャー表現の20種類以上をアートパネルとして展開するほか、stoop の買い付けたフレンチアンティークへと漆塗装を施した家具などを含む、作品を展示販売致します。

また、製造工程で生まれた本来廃棄される材。今回の展示では、これまで人々の目に触れることがなかったそうした品々に光を当てる試みも行います。
 

※ 写真左 漆の白:漆元来の色合いからなる色を白と呼ぶ。

職人たちの好奇心と、数多の実験から生まれた多様な表現。

アートパネルに使われている「変わり塗り」は、仏像・仏具・神社仏閣に施される伝統的漆塗り技法とはまったく異なる工程を経て生み出されます。鏡面のようにムラなく美しく仕上げるという従来の目指すべき姿に対して、新たな表現を生み出すことを目的に重ねられた試行錯誤。

錫粉や鉄粉を混ぜ込む、あえてクラックを発生させるなどの日々の試行錯誤の中で、不採用になったサンプルは100種をくだらないといいます。伝統技法による日々の仕事の後に、「遊び」として実験と失敗を繰り返した中で、奇跡的に発生したテクスチャーを、再現性や完成度を高めて、オリジナルの表現技法として確立させてきた牧野漆工芸。彼ら職人一人ひとりの飽くなき探究心を結実させた多様なテクスチャーの美しさを最もダイレクトに愉しめる形として、アートパネルに仕上げました。

※ 上段:定番としてラインナップする7種のテクスチャーは、F10・F20 の2サイズ展開。
※ 下2段:牧野漆工芸が試行錯誤の末に生み出した多様なテクスチャーも会期中一点ものとして展示販売。

また、長年培われてきた従来の伝統的な漆塗りの技法をそのまま落とし込んだアートパネルは、牧野家に代々受け継がれる「朱」、漆元来の色を伝統的な技法で塗った「白」、箔押し師が金箔を張って仕上げる「金」など、シンプルだからこそ明らかになる技術力の高さや文化的価値を感じることができます。
 

※ 写真左 牧野家の朱:代々受け継がれてきた牧野家の朱色を伝統的な技法で仕上げた一点。
※ 写真右 伝統的な黒漆仕上げの技法を活用しながら、あえてクラックを発生させ、割部へと金粉を施した一点。

廃材にフォーカス、新たな価値を創出する。

製造工程で生まれた、本来廃棄されるだけの材。今回の展示では、これまで人々の目に触れることがなかった品々に光を当てる試みも行います。展示するのは、漆を吹き付ける工程で対象物の下に敷かれる天板や台。作業のたびに自然と重ねられた漆は、歪ながらも生命力を感じさせ、それが自然界で育まれた恵みであることを思い出させてくれるようです。

未来に継承すべき技術を、継承できる姿で次世代に受け継ぐ。伝統技術に携わる人々の仕事に向き合う姿勢と、その伝統工芸が生み出される現場にこそ、そのヒントがあると私たちは考えます。
製造現場で目にしたものに本質的価値を見出し、新たに命を吹き込むこと。これも、本プロジェクトの意義であると考えています。
 

※ 左:下地を塗布する際に台として使用されていた紙に漆仕上げを施したアートピース。
※ 右:下地を塗布する際の台として使用されていた紙管に漆仕上げを施したアートピース。

アンティーク家具への漆仕上げ。

stoopがバイイングしてきたフレンチアンティーク家具。

それは牧野漆工芸の創業と時を同じくして、約100年前にフランスの大衆に道具として使用されてきた品々です。
本プロジェクトでは、国は違えど年月を同じくして後世に引き継がれてきたアンティークと伝統技術を掛け合わせ、漆仕上げを施したアンティーク家具を販売します。

鈍い黒漆の輝きをまとった味わい深い家具達は、どこか懐かしさがありながらもモダンな仕上がりに。
歴史と異国文化のクロスオーバーから生み出される新たな価値と美。
現代のインテリアに寄り添う、本企画展の見どころの一つです。
 

※ サイドテーブル:フレンチアンティーク 漆仕上げ。

仏具とヴィンテージ家具。信仰のためなのか、暮らしを彩るためなのか・・目的は違えど、後世まで受け継いでいくことを前提としたプロダクトに手をかけることで、さらに価値を塗り重ねていく。
「やっていることに変わりはない」ーー4代目が口にした言葉に、私たちは心から共感を覚えます。
 

歴史と伝統に裏打ちされたその技術力を背景に、膨大な実験と数多の失敗を繰り返した結果から生まれた珠玉のテクスチャーの数々は、見るものの好奇心を刺激します。

伝統と革新、プロフェッショナル精神と遊び心。自由と格式。
そして、職人一人ひとりの飽くなき探究心。

イノベーティブな表現は、いつの時代も相反するものが結実する時にこそ生まれるもののように思えます。
その表情の一つ一つは、私たちにクリエイティビティとは何か、を語りかけてくれるようです。

幾層にも重なる、奥深き漆の魅力を感じに、ぜひこの機会にお立ち寄りください。

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CONTEMPORARY “URUSHI” 展

会期:11月3日(金)〜 11月26日(日)
オープン:火・水・金・土・日曜+祝祭日(12時〜19時)
クローズ:月・木

会場:stoop
住所:東京都江東区白河2-5-10
清澄白河B2出口より徒歩3分
東京都現代美術館より徒歩6分
お問い合わせ:03 4285 4128

MAKINO URUSHI DESIGN

MAKINO URUSHI DESIGN牧野漆工芸

  • BIOGRAPHY
  • INFO.
牧野漆工芸は、100年以上にわたって京都に拠点を置く、漆の塗り師集団です。

金閣寺の修繕をはじめ仏壇・仏具・神社仏閣などへの仕上げで培った、伝統的な漆技法をベースに、長年にわたる実験と試行錯誤の末に生み出した「変わり塗り」と呼ばれる多様な漆表現。

それらを現代のインテリアスタイルへ落とし込んだプロダクト開発を、stoop と共同で行っています。

詳細は こちらのページ をご覧ください。

CONTEMPORARY “URUSHI” COLLECTION

E-16 Urushi Art Panel F20 by MAKINO URUSHI DESIGN

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E-16 Urushi Art Panel F10 by MAKINO URUSHI DESIGN

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E-07 Urushi Art Panel F10 by MAKINO URUSHI DESIGN

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Flower Vase in scrap Paper by MAKINO URUSHI DESIGN

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CL-0 Urushi Art Panel F10 by MAKINO URUSHI DESIGN

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E-07 Urushi Art Panel F20 by MAKINO URUSHI DESIGN

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MAKINO URUSHI DESIGN

「塗り」と「研ぎ」の繰り返しで生まれる伝統の美。


仏像や仏具、寺院建築に対する漆の使用は、古く飛鳥時代まで遡ります。

基本的なプロセスは「塗る」と「研ぐ」。
塗る対象の素地を整えることに始まり、表面にひび割れ等があれば、漆・糊・木の粉を混ぜ合わせたもので埋めます。塗って埋めることを幾度か繰り返して完全に平らにしてから布を貼り、その上にヘラで下地となる砥の粉を塗り、乾いたら石で研ぐ、を繰り返して下地をつくります。

その後、砥の粉と地の粉によってさらにキメの細かい下地をつくり、ようやく漆を塗るための素地が整います。

下地の完成は、熟練した職人の感覚で見極められるため、決まった回数はありません。塗る本体の状態を見極めながら、良い状態になるまで繰り返します。

そこから漆を「塗り」と「研ぎ」の過程を繰り返すことで漆塗りが完成します。

基本的には一日一工程しか進めることができないため、その完成には膨大な時間が必要となります。




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CONTEMPORARY “URUSHI” 展

会期:11月3日(金)〜 11月26日(日)
オープン:火・水・金・土・日曜+祝祭日(12時〜19時)
クローズ:月・木

会場:stoop
住所:東京都江東区白河2-5-10
清澄白河B2出口より徒歩3分
東京都現代美術館より徒歩6分
お問い合わせ:03 4285 4128
MAKINO URUSHI DESIGN
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MAKINO URUSHI DESIGN牧野漆工芸

  • BIOGRAPHY
  • INFO.
牧野漆工芸は、100年以上にわたって京都に拠点を置く、漆の塗り師集団です。

金閣寺の修繕をはじめ仏壇・仏具・神社仏閣などへの仕上げで培った、伝統的な漆技法をベースに、長年にわたる実験と試行錯誤の末に生み出した「変わり塗り」と呼ばれる多様な漆表現。

それらを現代のインテリアスタイルへ落とし込んだプロダクト開発を、stoop と共同で行っています。

詳細は こちらのページ をご覧ください。

CONTEMPORARY “URUSHI” COLLECTION

E-16 Urushi Art Panel F20 by MAKINO URUSHI DESIGN

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E-16 Urushi Art Panel F10 by MAKINO URUSHI DESIGN

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E-07 Urushi Art Panel F10 by MAKINO URUSHI DESIGN

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Flower Vase in scrap Paper by MAKINO URUSHI DESIGN

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CL-0 Urushi Art Panel F10 by MAKINO URUSHI DESIGN

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E-07 Urushi Art Panel F20 by MAKINO URUSHI DESIGN

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