ブルックリンにある元ボトリング工場をスタジオに活動するニューヨーク出身のアーティストDanny Kaplan(ダニー・カプラン)。
大学で文芸創作やファインアート、美術史を学んだ後、プロップスタイリストやセットデザイナーとしてキャリアをスタートさせます。その後2015年から陶芸の魅力に没頭し、現在まで数多くの作品を作り出しています。
カプランは、フランスのインテリアデザイナーであるジャン=ミシェル・フランクの最小限の美学や、中国・古代ギリシャ・マヤなどの古典的な陶芸作品などに影響を受けており、それらをバックグランドとして自身の作品に反映させています。作品は一点一点ハンドメイドで製作され、構造的で複雑な美しいフォルム、古今東西を感じさせる滑らかでマットな質感に目を惹かれます。
作品の材料である粘土の選出から、成形に関する様々なセラミック技術の使用、表面のコーティングに及ぶまでの過程を、熟練の職人チームと共に作り上げる傍ら、釉薬やスリップなどの開発を独自に行い、日々色や素材感などを試行錯誤しています。
そんな彼の作品に対する情熱は細部にまで及び、テーブルランプのコードにはシルクを、ランプシェードにはリネンを使用する徹底ぶりからも伺えます。
古さと新しさ、複雑さと原始さ、ミニマリズムと有機性を併せ持つ作品は、現代を生きる私たちの生活の中に、感性を与えてくれます。