Philippe Starck

Philippe Starckフィリップ・スタルク

1949 -

フランス出身の国際的な建築家・デザイナー。
建築家として大統領私有のアパート設計などを担う一方、デザイナーとしては日用品の歯ブラシからオリンピックの聖火にいたるまで、あらゆるジャンルのデザインを手掛けています。
日本では、アサヒビール社の金色のオブジェが有名で、1990年代にはセブイレブンの文房具などもデザイン。

そんな彼は、航空機設計者であった父に影響を受け、幼い頃から物作りに熱中していました。

1968年に美術学校を卒業し自身の事務所を設立すると、翌年にピエール・カルダンの会社でアートディレクターに就任します。4年間という短い期間でしたが、インテリアデザインを担当し、この頃からプロダクトデザインに対する頭角を現します。

1983年には、フランスの文化大臣であったジャック・ラングの推薦で、当時のフランス大統領フランソワ・ミッテラン氏の私有アパートを改修する計画にスタルクが選出。これが彼の転機となり、瞬く間にフィリップ・スタルクの名が世界に広がっていきました。

スタルクのデザインは、あまりにも多くのスタイル、歴史的背景が組み合わさり、我々の想像を常に超えていきます。彼の物作りに対する姿勢はプロダクトだけでなく、それを実際に使用する人も意識しており、 実際に「人々に夢、愛、優しさ、詩、そして幸福を売ることに興味がある」と語っています。

世界的に有名なチャールズ・イームズのシェルチェア、アルネ・ヤコブセンのセブンチェア、エーロ・サーリネンのチューリップチェアの3脚を合作させたマスターズチェアは、彼のユニークな一面が感じ取れるプロダクトの一つです。

2023年のミラノサローネではディオールとの共同で椅子をデザインするなど、未だ最前線で活躍するフィリップ・スタルク。彼のデザインは私たちの豊かな感情に寄り添い、デザインの楽しさを色々な角度から教えてくれます。