DESIGNER
Carlo de Carliカルロ・デ・カルリ
イタリアを代表する建築家・デザイナー。
戦後のイタリアンデザイン発展に多大な影響を与えた重要人物の一人。
1934年に建築の名門ミラノ工科大学を卒業し、「イタリア建築・デザインの父」と称されるGio Ponti(ジオ・ポンティ)の元で働きます。
その後、家具職人Renato Angeli(レナート・アンジェリ)と共に自身のスタジオを設立。
1954年には彼の代表作となる‘Model 683’ Chairをデザインし、第1回コンパッソ・ドーロ賞を受賞。カッシーナ社から発表されたこのモデルは、同社にとって初の受賞作品となりました。
また同年の1954年と1957年に開催された、建築・デザイン・アートなどの国際的な展覧会「ミラノ・トリエンナーレ」ではマルコ・ザヌーゾらと共にキュレーターに就任。フィンランドの巨匠カイ・フランクや日本の坂倉準三、柳宗理らも参加し、インターナショナルなデザインの推進に大きく貢献します。
1962年になると、前年までジオ・ポンティが務めていたミラノ工科大学建築学部長に就任。ポンティの後任として、若手の教育にも力を注ぎました。
彼は「椅子やテーブルは人の存在を感じるものでなければいけない」と主張し、 建築物のための家具だけではなく、人間の尊さに重点を置いた「Primary Space Architecture」という自身の概念に基づき、イタリアンデザインを国際的な水準へと引き上げました。