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DESIGNER
Mario Bottaマリオ・ボッタ
スイスを代表する世界的な建築家。
大学在学中の論文をカルロ・スカルパが顧問として担当し、同時期にはル・コルビジュエ、ルイス・カーンの助手を務めていました。ボッタが手がける建築やプロダクトデザインには彼らの意志が佇んでいます。
そんな彼の建築は、常に周辺環境との対話を意識しており、素材の調和や建物に入る際の動線まで、彼のデザインは地域全体を包み込みます。
ボッタの代表作でもあるサンフランシスコ近代美術館。設計者選定会の最終選考で安藤忠雄、磯崎新、フランクゲーリーなどの名だたる建築家の中からボッタが選出。美術品の管理上、取り入れるのが難しいとされる自然光による作品の鑑賞を提案し、展示物の表情を天候や時間帯によって変えることで、美術館そのものを芸術家のアトリエに近い状態に表現しました。
他にもバレエ作品「くるみ割り人形」の舞台装置のデザインを依頼され、舞台上の空間を構築するなど、その才能は多岐に渡ります。
1980年代になると、当時のアリアス社のアートディレクターであるエンリコ・バベリの勧めにより深くインテリアデザインに着手。幾度となくデザインされる椅子に強い関心を示しており、「椅子は眼でも腰をかけるもの」と表現しています。
ボッタはセコンダなどの幾何学的なチェアをデザインしていますが、彼自身はデザイナーではなく建築家として、オブジェではなくスケールの小さい建築としてアプローチしていると公言。以降、これまでにない構築的で美しいプロダクトの数々を世に送り出しました。
また彼は、建築や椅子について、デザインした時代や自身のプロセスを言語化できる表現方法と捉えていたため、彼によって生み出された作品そのものがマリオ・ボッタの”言葉”となっています。