DESIGNER
Cristian Valdes クリスチャン・バルデス
チリを代表する建築家クリスティアン・バルデスは、建築家としてだけでなく家具デザイナーとしても知られています。
主な活動である建築と並行し、1970年代後半に家具デザインを手掛けた彼は、家具デザインと建築の根本的な違いは、スケールの問題だけだと残しています。椅子を描くことは建築の練習であり、建築は製図だけでなく、工房で素材を使って実験することによってもアプローチできると語ります。
「建築も家具デザインも、何か新しいものを作ろうという意図から生まれるものであり、重要なのはその意図の起源であって、次元の問題ではない」彼のこの言葉は「どこから、何を使って、なぜ生まれるのか」そのことを知ることがデザインの本質であることを、私たちに改めて思い出させてくれます。
日常生活においても作品においても、削ぎ落とされたシンプルなデザイン性、物事の起源を把握し、それを作品に直接表現する力。それは建築と家具デザインに対する彼のアプローチを特徴づけるもののひとつです。
本質を見失わず、不必要なものや無駄なものはすべて排除する。物事の意味を深く理解し、具体的で有用な目的を持たないものは創造しない。そんな哲学のもと、1977年にバルデス・チェアを発表。これはチリ・デザインの最も美しいアイコンであり、国際的な基準となっています。
時を経て、コレクションはアームチェア数脚とソファを含むまでに拡大、世界中に輸出されているほか、パリの自然史博物館やニューヨーク近代美術館にも多くの作品が収蔵されています。